なぜ今、あなたの物語(ライフストーリー)を聞きたいの?AI時代にお客さまから選ばれる7つの理由

誰もがAIを仕事で活用する今、「答え」そのものは簡単に手に入るようになりました。でも、その答えをInstagramやYouTubeなどで短尺「ショート」で伝えることによって、短すぎて本当に伝えたいことがお客さまに伝わらないことも多くなりました。なにより残念なことは、お客さまは「自分に必要な情報はこれで足りている」と勘違いしていることです。

そこで重要なのは、あなたのところに長くとどまって耳を傾けてもらうことです。そのために、あなたの物語(ライフストーリー)が必要です。

この記事では、企業案件だけでは心細いとお悩みの女性フリーランスやひとり社長さんに向けて、なぜ今、オンラインビジネスにおいてあなたの物語(ライフストーリー/経験談)が必要なのかという理由を7つお話しします。

1.物語はファクトよりも約22倍記憶に残りやすいから

あなたがこれまで壁を乗り越えて今があるという「経験」と、他の人と比べるとなぜかうまいことやれるという才能、生まれながらの性格、物事に取り組む姿勢、そして人とのコミュニケーションにおける態度など、あなたらしさがわかる「資質」の2つから作られた「物語のような経験談」が必要になります。

スタンフォード大学経営大学院のジェニファー・アーカー博士は「ストーリー(物語)はファクトよりも約22倍記憶に残りやすい」と、人間の記憶力や感情への影響力について話しています。また、ハーバード・ビジネス・レビューの研究によると、人間の脳はストーリーに自然と反応し、信頼を促すホルモンである「オキシトシン」を放出することがわかっています。

【参考】Harvard Business Review

2. AI時代になりさらにあなただけの「経験」が重視されるから(E-E-A-T)

GeminiやClaude、ChatGPTなどのAIによって情報収集が簡単になったということは、それを「そのまま」使って情報発信する人たちも増えていくということです。そのまま使う人が増えればそれだけ同じようなコンテンツがネット上に増えるということで、結果、ユーザーであり人間である私たちにとって有益ではなくなります。

質問の答えはわかっても、ゴールまで行けるとは限りません。ゴールまでの行き方はAがいいという人もいれば、Bがいいという人もいます。「私にはどっちの行き方があってるんだろう..」と悩む人に、あなたが今まで乗り越えてきた物語のような経験談を話すことで、見込み顧客にとっての判断基準が明確になり、あなたは「選ばれる」ようになります。「選ばれる」ということは、その時点で他の人とは違うと認識されているので、「ブランディング」が成功しています。

そもそも、AIはあなただけの経験を語れるでしょうか?AIに事前に教えていればいいのですがあなたが過去乗り越えてきた経験とそこで見出した使命などはわからないため、AI頼みではあなたらしさをどんどん失っていきます。

さらに、AIが情報を集めに行く先のGoogle検索では、良いコンテンツの判断基準として「経験」を追加しているので、このことからもあなたの物語を通じた経験を語ることの大切さに目を向けていく必要があります。

📢Googleの検索品質評価ガイドライン:E-E-A-T
経験(Experience)
専門性(Expertise)
権威性(Authoritativeness)
信頼性(Trustworthiness)

3. 表に出さずにひっこめてる「資質」にあなたらしさが表れるから

「経験」が大切というお話しをしましたが、経験にはあなたらしさである「資質」も含まれています。あなた自身があなたらしさを認めることで、これから取り組むデジタル商品・サービスのコンセプト作りやデジタル商品の設計、発信にも生かしていくことができます。

「資質」と言われるとふわっとしていて、ビジネスのシーンでは何を指すのかわかりにくいですよね。例えばこんなことです。

あなたはのんびりしていてお客さまをひっぱるよりは寄り添っていきたい人だとします。でも、同業者を調査していると「このままだとあぶない」とか、「〇〇してたらコケます」といった煽るような言葉を使っているのを目にして、悩んだ末に「わたしもそうしなきゃ・・」と、同じような言葉を使ってオンランビジネスをすることにしました。

結果、自分らしさを否定する言葉からオンラインビジネスを始めているので、その言葉を使うごとに自分を否定するマインドになり、オンラインビジネスは楽しいものではなく苦しいものになっていきます。そして選ばれることもなくなります。

自分を知り、自分を認め、言葉の使い方やオンラインビジネスの順番さえわかっていれば、あなたを待っている人に出会えるのに..。あなたらしさである「資質」はお客さまにとって「選ぶ」判断基準になっていることを忘れないでください。

ただ一方で、1日の約8割の時間をネガティブなことを考えている私たち人間にとって、「このままだと良くないことが起こる可能性が高いんです」と伝えることも大切です。あなたが言わないことで、目の前のお客さまが良くない方向に向かうのを見て見ぬふりをすることになります。

あなたの経験値でこのままだとネガティブな結果になる可能性とそれを回避する方法は、専門家としてフラットに伝えましょう。あなたの資質と経験から得た成功法とを天秤にかけて、いい塩梅を探ります。

4.「共通点」から「共感」が生まれるから

「経験」と「資質」を言語化していく上で、世のなかのこと、業界のこと、専門分野のことに対して自分の考えを表に出す=価値観を語ることで、あなたとお客さまの間に、「共通点」というつながりが生まれます。

経験と資質をうまくまぜながら話すことは、単なる情報提供ではなく、あなたの価値観を明らかにしてくれます。価値観を話すと相手が勝手に「共通点」を見出してくれて、「共通点」があるからこそ「共感」してくれます。

「私は〇〇に対しては、こう思うんです。」と言うことで、相手との信頼関係を築くスタート地点に立ちます。お客さまから共感を得たいなら、まずはあなたはあなたと向き合い、様々な価値観を言葉にしてみましょう。

5. 価値の二面性(目に見えるものと見えないもの)を伝えられるから

価値観と似た言葉に「価値」がありますが、価値観と価値の意味は異なります。

🤝価値観:あなたとの間に「共通点を見出した人たちが集まるきっかけ
🤩価値:集まった人たちがあなたに払うお金の「対価として差し出すもの」

価値観を語って共感を得て購買意欲を高めたとしても、せっかくのあなたのデジタル商品・サービスの中身がお客さまの望むものでなければ、購入ボタンをクリックせずに、さよならしてしまいます。価値観で人を集めたあとに、そのまま長居してもらい、そこでしっかりと価値を伝えていきます。

では、その「価値」は、具体的に何を指すんでしょうか?これも曖昧で、人によっては定義が異なるのでよくわからない..という人もいます。

「価値」には2種類あります。

1つ目は、「目に見えるもの」
あなたが具体的に実践してきたなかで見えてきたやり方を抽象的にしたノウハウやフレームワーク、テンプレートなどのことです。知識のほかにノウハウやフレームワーク、テンプレートを追加することで、あなたが長い時間かけてたどり着いたゴールを、お客さまはそこまで苦労せずともたどり着けるようになります。あなただからこそ語れるノウハウや、あなただからこそ作れるフレームワーク、テンプレートがとても価値あるものとなり、買いたい気持ちが高まります。

2つ目は、「目に見えないもの」
すごいノウハウやフレームワーク、テンプレートだけでは、なぜこれがいいの?に対する答えがなかなか伝わりません。あなただから語れる経験を物語のように話すことで、なぜデジタル商品・サービスを作ったのか、なぜお客さまは望む未来を手に入れられるのかについて、目に見えないあなたの感情の揺れ動きを表現することで、目にみえる価値を支えます。

感情が動く物語(あなたの経験談)の構成は決まっていて、スター・ウォーズのような今でも人気を博す映画や白雪姫などの民話、Netflix、Amazon Primeで話題の動画コンテンツなどに共通してみられる「型」さえ知っていれば、あなたも簡単に書くことができます。

正直、目に見える価値はかんたんにコピーされてしまいますが、目に見えない価値は唯一無二のあなた自身のことであり、あなたというブランドに欠かせない要素です。

6. 相手が「変容」するから

これら2つの「価値」を提供することで、お客さまはみるみるうちに「変容」していきます。それは、目の前に既に実現している人(あなた)を「観る」からです。

例えば、二重スリッドの実験があります。それは、

小さな粒を2つの隙間がある壁にぶつけると、後ろの壁には波みたいな模様ができます。不思議ですが、小さな粒は2つの隙間を同時に通って、干渉しあって波模様を作ります。そこで、小さな粒がどっちの隙間を通ったか意識的に見てみると、なぜか、波みたいな模様は消えてしまう。

つまり、意識的に見て「観測」することが、周りの世界に影響を与えるということです。

あなたが経験を語ることで、お客さまはその状況を「観測」し、「解決までの道のり」を具体的にイメージすることで、問題解決につなげることができます。それは、「現実を創造する」ための助けになるということです。

解決までの道のりは、言いかえれば「順番」です。お客さまは「答え」を知っていても、ゴールまでの無駄のない「順番」を知りません。

私の経験談として、ダイエットは食事と運動に気をつけることだとわかっていても、「順番」がわからない時期はぜんぜん痩せることができませんでした。なんとなく答えは知っていたんです、でもできなかった..。

その後、痩せるメカニズムとそれを実践する「順番」を知りました。食事はむやみに減らすのではなくPFCのバランスに気をつけたり、脂肪が燃えやすい時間帯に運動したり、働きかけたい筋肉にきちんと効かせる方法でトレーニングしたりと、朝起きてから寝るまでにやることの「順番」を知ってからは、コツコツ行動し続けることで体重が減りました。7kgも..!

このように、価値に基づく「順番」を教えてもらうことで、お客さまがより「自分ごと」としてイメージしやすくなるため、行動を促す効果が高まります。あなたがいくら良い話をしても、さらに共感してもらえたとしても、相手に行動してもらわないと成果はでません。成果がでないということは、あなたの実績にならないということです。

お客さまが望むことから逆算した「順番」でデジタル商品・サービスを提供し、実践する人が増え、そこから成果を上げる人も増えていけば、あなたの評判は少しづつ広がり、いつのまにかあなたは選ばれ続けるサイクルに入っていきます。

7. 物語は「長期的な利益」をもたらすから

選ばれ続けるサイクルに入ると同時に、あなたのデジタル商品・サービスで成果を上げる人が増えていきます。増えていくと、おのずと口コミも広がっていきます。

しんどかった状態から望む自分に変われたのなら、あなたがお願いしなくても、誰かに話したくなるものです。

デジタル商品・サービスの作り手であるあなたから「やってみてください」というよりも、第三者から「あの人のこのデジタル商品でできるようになったの、やってみて!」とすすめられた方が、広告やプロモーションに多額の費用をかけなくても、信頼が高まるので、相手の行動を促せます。

デジタル商品・サービスがすぐにコモディティ化していくなかで、あなたはあなたの物語を語り、お客さまを惹きつけ、お客さまがデジタル商品・サービスを実践した結果、壁を乗り越えられたのなら、口コミが生まれ、そこから壁を乗り越えた人の新しい「物語」も広がっていきます。

このように、デジタル商品・サービスの購入につながる原理原則を知りオンラインビジネスをしていくことで、「選ばれる」ようになり、あなたという「ブランド」が構築されていきます。

なので、今すぐにただお金だけ稼ぎたい人には、物語は必要ありません。

短期的ではなく長期的な視点で安定した利益を生み出したいなら、なぜオンランビジネスをするのか、どうしてデジタル商品・サービスを作ったのかを、過去の経験から今に至るまでの経験談である物語を通じて、あなたのミッション(使命)を語ってみましょう。作成した物語は、自己紹介やちょっとした会話のなかで話すのはもちろんのこと、ホームページのAboutページやブログ記事、ニュースレターやメールの署名部分、InstagramなどのSNSのプロフィールにも活用できます。

まとめ

AI時代に「選ばれる」オンラインビジネスの秘訣は、あなただけの「経験」と「資質」を「物語」のような経験談にして発信することです。Googleも重視する「経験」は、ユーザーの判断基準となり、あなたを「選ばれる」存在へと導きます。

「経験」と「資質」に基づいた価値観を発信することで、共感してくれる顧客が集まり、あなた独自のブランドが形成されます。ブランドを支えるのは、「目に見える価値」と「目に見えない価値」です。

長期的な視点でビジネスを成功させたいのであれば、あなたの物語をあなたを必要とする人に届けていきましょう。